日本で人手不足が深刻な問題になっていることを受け、政府は新たな外国人受け入れ策を発表しました。今まで技能実習以外で就労ビザを取得できなかった、いわゆる単純労働分野における外国人雇用に門戸を開き、日本語が苦手な者なども含めた幅広い外国人労働者を受け入れることが想定されています。
具体的には、建設、農業、宿泊、介護、造船業の5分野が対象になります。2019年4月に上記分野を対象として、「特定技能評価試験」(仮称)を設け、合格をすれば就労資格が得られるという仕組みです。試験は、日本語と技能に関して行われ、各職種ごとの業界団体が国が求める基準をもとに実施します。
政府は2025年までに5分野で約50万人超の受入を目指します。
この方針により今まで人手不足が深刻ではあったものの、外国人雇用ができなかった分野での経済・産業の活性化が期待できます。その一方で問題点も出てくると考えられます。
例えば、介護に関しては在留資格が新設され、技能実習の対象にもなっていましたが、その要件が厳しく実際にはあまり外国人雇用の促進がされていない状況でした。その一つに日本語能力の要件が厳しいという理由がありました。この点に関して、今回の「特定技能評価試験」(仮称)では合格基準となる日本語能力のレベルは基本的にN4とされる見込みです。N4というのは、ややゆっくりとした会話がほぼできる程度とされています。しかし、介護の業務は特に人と人とのコミュニケーションが求められる業務であり、要件を緩和することで新たな問題が発生しないかという懸念もあります。
とはいっても、日本の少子高齢化は避けられず人手不足は深刻になっていきます。課題を解決しつつ、外国人の積極的な雇用を通して人手不足の解消につながることを願います。