今回は各業界が注目する、新しいビザ「特定技能」に関してお伝えいたします。

(1)新在留資格「特定技能」とは

 特定技能は、国内の人手不足の深刻化を解消するため、一定の専門性・技能を有し、即戦力となる外国人材を受入れることを目的として創設されました。
 特定技能は1号と2号があり技能レベル等により区別されています。
 1号は、特定産業分野に属する相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格です。
 2号は、特定産業分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格です。
 特定産業分野は現在14業種が規定されており、外食業や宿泊業もその中に含まれています。特定技能1号の対象です。
 2号に関しては、建設、造船・舶用工業の分野のみ受入れ予定です。

(2)対象となる業務内容<外食業>

 外食業分野の対象は、日本標準産業分類の「飲食店」、「持ち帰り・配達飲食サービス業」に該当する事業者が行う業務です。
 例えば、食堂、レストラン、ファーストフード店、テイクアウト店等が該当します。
1号の外国人が従事することができる業務は、飲食物調理、接客、店舗管理業務です。これらに加えて、原材料調達・受入れ、配達作業等の日本人が通常従事することとなる関連業務に付随的に従事することも差し支えありません。

(3)対象となる業務内容<宿泊業>

 宿泊業分野の対象は、日本標準産業分類の「旅館」、「ホテル」、「その他の宿泊業」に該当する事業者が行う業務です。
 1号の外国人が従事することができる業務は、宿泊施設におけるフロント、企画・公報、接客及びレストランサービス等の宿泊サービスの提供に係る業務です。
これらに加えて、館内販売、館内備品の点検・交換等の日本人が通常従事することとなる関連業務に付随的に従事することもできます。

(4)特定技能の要件

 上記のように、今までビザを取得することができなかった業務内容も対象になり、外国人の方がより雇用し易くなると思います。
 雇用するための要件は、①外国人本人と②受け入れる企業に関してそれぞれ定められています。
 ①に関しては、各分野の技能に関する試験及び日本語能力に関する試験を受験し、合格をすることが必要です(例外あり)。
 ②に関しては、外国人を受け入れるための基準として、外国人受入れ体制の整備や、外国人を支援する計画の策定などが必要です。受入れ機関でこれらの要件を満たすことが難しい場合には、登録支援機関へ支援を委託することができます。

(5)採用可能な外国人の要件

 留学生、技能実習2号を修了した者、海外から直接来日する外国人等が対象となります。
 特定技能には学歴要件はないことから、日本語学校卒業生も対象となります。
 例えば、アルバイトで雇用している学生の接客スタッフをそのまま正社員として雇用したい場合には、留学ビザから特定技能のビザへ変更することが考えられます。

(6)今後の制度運用

 特定技能に関しては詳細が未定な部分も未だに多く、4月からの運用を目指して制度細部の構築が急がれています。各地方公共団体へ向けた法務省等の行政庁による説明会も始まったところです。
 引続き最新の情報をお伝えしてまいります。